なぜ、地域おこし協力隊なのか?
日本の田舎には多くの資源が眠っていることは今更いうまでもないことですが、その「資源」も潜在価値を発見し、磨き、そして、それを伝えていく人がいなければ道端の石ころとなんら変わりません。別な表現をすれば「美しいもの」を「美しい」と感じること、「美味しいもの」を「美味しい」と感じること、そして、それを、まだそれを知らない人たちへ伝えていくことで初めて「資源」は「価値」に変わるのです。
しかしながら、そこに長く住む方々にとっては、長年の習慣もあり「石ころ」は「石ころ」にしか見えないと言う現実があります。だからこそ、今田舎の環境とは真逆の価値観の中で生活する都市部在住者、つまりいわゆる「よそ者」の視点が求められていると言うことにつながってきます。
では、「よそ者」であれば誰でも良いのか。
たとえば、有名大学の教授をアドバイザーとして招き、地域のあり方などについて検討されることも多いようですが、その地域の価値を発見し、それを伝えていくことが半年に一度・数時間の滞在でできるわけもありません。
それを実現するために必要なことは、その地域に住む方々と同じ空気・同じ土に触れ、同じ季節を感じながら生活を共にすることであり、それができる唯一の存在が「地域おこし協力隊」なのです。
地域おこし協力隊の現状
上記のような期待もあり、2017年3月末時点で全国の隊員数は約4,000名、導入自治体は凡そ900自治体と全市町村の約半分が導入するまでに広がっていますが、その現状は明るい話ばかりではないようです。
多くの自治体が地域おこし協力隊の導入を始めたこともあり売り手市場の様相を呈していますが、良くも悪くも地域おこし協力隊に関する様々な情報が発信されている中で一度に複数の自治体に応募する方も少なくなく予定通り採用できる地域もあれば採用通知を出しても着任前に断られる地域もあり、結果的に何度も募集と選考を繰り返さなければならない地域も少なくありません。
一方で、応募者自体が増えたこともあり地域おこしに熱意もなく、その地域に愛着もない「お試し」感覚で協力隊に応募する方も増えているという現実もあります。
そのようなケースでは、隊員自身が主体的に動けないことも多く、多忙な自治体職員は対応しきれず隊員を放置するという結果となることも少なくなく、せっかく地域おこしの担い手や中核人材として期待して採用しても隊員自身の人生を壊すだけでなく、地域おこしにも繋がらないと言う結果になることもある様子が伺えます。
また、将来の人口増を期待し若い人材の採用を積極的に行なっている自治体も多く、そのため地域おこし協力隊の約8割が20代・30代が占めているという結果になっていますが、まだまだ教育が求められる若い世代を採用したものの地域おこし協力隊という新しい人材を育成する枠組みや仕組みがない地域も少なくなく、総務省が提供する研修への派遣を行う自治体も多いですが、研修が開催される地域や定員に制約があることもあり協力隊に研修の機会を提供することもままならない自治体も少なくありません。
さらには、そもそもの地域おこしに関する計画が不十分であることから地域おこし協力隊の役割・ミッションの定義がなされないまま交付税が交付されるからという理由だけで安易に協力隊を導入する自治体も少なくないという現状がある一方でその背景には、行財政改革の影響により多くの職員が複数業務・事業の兼務状態にあるという実態もあり、そもそも地域おこしに関してきちんと工数を取れるような体制・組織になっていないという現実もあり、協力隊・受け入れ自治体ともに難しい状況に置かれていると言えます。
地域おこし協力隊の導入・活用をご支援致します。
地域おこし協力隊向けオンサイト研修
地域おこし協力隊の成果とは、地域おこし協力隊がその地域に定住すること、定住するための仕事を見つけること、その仕事が地域おこしに繋がることの3点ですが、その鍵を握るのは地域おこし協力隊自身です。その力を地域おこし協力隊の皆さんにつけてもらうため、受け入れ自治体の皆さんと相談しながら原則オンサイト(現地)・ワンオーワン(1対1)のスタイルで1日単位での地域おこし協力隊向けの研修を提供致します。
下記に研修内容の一部を掲載致しますが、3年間の任期の中での時期や隊員個々の状況や将来設計を踏まえ最適な研修を提供致します。
・地域おこし協力隊が勉強すべきこと・考え方・行動様式
・3年間の計画作り、マイルストーン・目標管理の考え方
・地域で起業を目指すためのポイント
など
モデルケース①
隊員向け研修:
月一回、約半年で隊員の行動計画の作成まで到達するプラン。
4月採用の隊員に対して10月の翌年度予算作成の締め切りまでに次年度の予算作成を目指す。
着任後1ヶ月 | → | 地域おこし協力隊が最初の1ヶ月ですべきこと 『主な内容』 ・制度の基本 ・地方自治体の仕組み(地方公務員法の基本、特別交付税の仕組み、取り巻く環境) ・着任自治体の基本 ・地域の強み/弱みの発掘、地域を知る行動様式 ・PR・広報活動の基本、プランニング |
着任後2ヶ月目 | → | キャリアプラン・活動目標作成準備 『主な内容』 ・地域の強み/弱みに関するディスカッション ・PR・広報活動プランのレビュー ・キャリアプラン、活動目標の考え方(目標設定・マイルストーン・目標管理など) |
着任後3ヶ月目 | → | 活動計画の作り方 『主な内容』 ・キャリアプラン・活動目標に関するレビュー ・活動計画の作り方(目標設定・マイルストーン・目標管理など) |
着任後4ヶ月目 | → | 行動計画の作り方 『主な内容』 ・活動計画のレビュー ・地域の強み/弱み・課題、自身のキャリアプランとのマッチング ・行動計画の作り方 *活動計画と自身のキャリア、地域のニーズがマッチングしていなければ再検討 |
着任後5ヶ月目以降 | → | 行動計画のレビュー・これまでの活動の振り返り 『主な内容』 ・行動計画のレビュー ・実際の行動の振り返り・課題抽出・行動計画修正など |
自治体向け地域おこし協力隊支援事業
先進事例から導き出された効果的な地域おこし協力隊の導入・運営を踏まえた支援を致します。
原則オンサイトでの1日研修形式で導入計画の立案、受け入れ態勢の整備、協力隊運営方法などテーマごとにご紹介致します。
また、地域おこし協力隊の成功の鍵となる活動・ミッションの定義や募集・採用について直接ご支援することも可能です。
モデルケース②
自治体職員向け研修:
4月導入を目指し、隊員の役割・ミッションの定義、募集計画策定、予算策定、導入計画の策定、募集・採用、受け入れ態勢の整備、協力隊運営方法など導入から運用までフルにサポートするプラン。
導入1年半前 | → | 地域おこし協力隊のミッション・役割の定義 『主な内容』 ・地域おこし協力隊を配置する地域の現状理解・将来のあるべき姿像の明確化 ・地域おこし計画の策定 ・地域おこし計画における地域おこし協力隊の役割 *必要に応じて何度か議論 |
導入1年前 | → | 募集計画の作成 『主な内容』 ・地域おこし協力隊の役割・ミッション・活動内容を明文化 ・役割・ミッション・活動内容にあった募集条件・処遇の整理 ・地域おこし協力隊のPR戦略の検討 ・予算策定 |
導入半年前 | → | 募集要項の作成、選考基準・プロセスの明確化 『主な内容』 ・募集要項の作成 ・活動内容・ミッションに沿った選考基準の明文化 ・最適な選考プロセスの検討 |
導入0-3ヶ月前 | → | 募集・応募・選考の支援 『主な内容』 ・応募状況を踏まえた募集方法の再考 ・選考の支援 ・採用決定者のフォロー支援 ・受け入れ態勢の整備(運営準備も含む) |
着任後0-3ヶ月 | → | 運営状況のフォロー 『主な内容』 ・運営状況の確認・必要なアクションの整理 ・隊員の現状確認・必要なアクションの整理 ・PR/広報活動の効果測定・見直し |
上記はあくまでも一例です。個別に状況は異なりますので詳しい内容な下記までお問い合わせください。
お問い合わせ先
ミエルカ・ラボ(株式会社 社会価値’見える化’研究所)
お電話&Fax 048-782-7663
メールアドレス kota.ishibashi@visualization-labo.com